ビラーゴ250は発売開始から初期のモデルになると30年以上が経過しています。(初期モデルは1988年)
エンジンやフレームが丈夫なビラーゴ250は30年経ってもまだまだ乗れますが、経年劣化と共にトラブルも増えてくるでしょう・・・。
特にビラーゴ250はレギュレーターが弱いという特徴があります。
頻繁にバッテリー上がりが起きる時や電装品が壊れるなどのトラブルが起きた時はレギュレーターの故障を疑いましょう。
その他にもフロントブレーキ関係部品の劣化やスロットルワイヤーの戻りが悪い、インマニのひび割れなども経年劣化から起こりやすいです。
純正部品が欠品になってきた物も出てきているので不調を感じたなら早めの交換をおすすめします。
この記事ではビラーゴ250に良くあるトラブル・症状とそれの解決策についてまとめましたので整備する際の参考にしてください。
ビラーゴ250に良くあるトラブル・症状 と解決策
- エンジンがかからない
- アイドリングが不安定
- バッテリー上がり
- エンジンオイルの劣化
- ブレーキが効かない
- クラッチが切れない
- スロットルの戻りが悪い
- サビが酷い
- タイヤの劣化・すり減っている
- チェーンの劣化・汚れ
- ウインカーの異常点灯(ハイフラ)
- ヘッドライトが点かない
エンジンがかからない
- バッテリーが上がっている
- キルスイッチが入っている
- ガソリンがエンジンに供給されていない(燃料コックの位置)
- エアクリーナーのつまり
- エンジンに火花が飛んでいない(プラグの劣化・かぶり)
- キャブに古いガソリンが詰まっている
- 気温が低い(チョークを引いていない)
ビラーゴ250は新車販売をしておらず古いバイクの為友人から譲り受けたりすることも多いかと思います。
その友人がしばらく乗っていなかった状態から譲り受ける時にアイドリングが不安定・エンジンがかからないトラブルが多いです。
しかしエンジンがかからないのとアイドリングが不安定では解決策が変わってくるので注意が必要です。
エンジンがかからない場合、まずはビラーゴ250のスタートボタンを押したときにセルが回るか確認しましょう。
セルが回らなければバッテリーが上がっているので充電もしくはバッテリー交換をします。
ビラーゴ250バッテリー上がり・寿命とは?バッテリーの復活方法は4つ
セルが回るがエンジンがかからない場合は以下の手順で1つ1つ異常がないか確認してエンジンがかからない本当の原因を見つけましょう。
- キルスイッチが入っていないか
- タンク内のガソリン残量を確認(燃料タンクのコックの切替レバーを確認)
- エアクリーナーを外して汚れて詰まっていないか
- プラグかぶり・劣化
- キャブレターの詰まり
- 気温が寒い
キルスイッチが入っているとエンジンがかからないのでまず確認しましょう。
他の原因を調べたけど異常がなくて実は「キルスイッチが入っていたのがエンジンがかからない原因だった・・・」というのは良くあることです。
次にタンク内のガソリン残量を確認しましょう。
ガソリンの残量が少ない場合は燃費タンクのコックの切替レバーを切り替える必要があります。
ビラーゴ250の燃料タンクのコックは「ON」「RES」「PRI」の切り替えポジションがあります。
「ON」と「RES」の違いはガソリンを吸い込むパイプの長さの違いです。
「ON」の方が「RES」よりもタンク内の高い位置にくるようにパイプが長くなっています。
「ON」の状態で燃焼が切れても「RES」に切り替えればそこからさらに2L程度のガソリンを使えることが出来ます。
「ON」と「RES」でパイプの長さが違う事でタンクの燃料切れを防ぐ仕組みです。
切替レバーは通常は「ON」にしておき燃料が切れたら「RES」に切り替えるという使い方をします。
ガソリンの残量と一緒にガソリンの状態も確認しましょう。
古いガソリンの場合は劣化してドロドロ状になりキャブレターが詰まってしまいエンジンがかからない原因になることがあります。
ビラーゴ250のエアクリーナーはタンク右側のフレームに卵型のメッキがしてあるカバーの中にあります。
外してみてエアクリーナーの汚れがひどいようなら交換しましょう。
エアクリーナーが詰まっているとエンジンに十分な空気を送る事が出来ずエンジンがかかりません。
ビラーゴ250はプラグがかぶりやすいです。
エンジンがかからない場合はプラグを外してみてプラグの状態を確認しましょう。
プラグの先端が黒くなっていたり、摩耗しているならプラグを交換します。
それでもエンジンがかからない場合はキャブレターの不調を疑いましょう。
燃料タンクのコックをONもしくはRESにしていればキャブレターまではガソリンが届いているはずです。
しかしキャブレターが詰まっているとそこからエンジンにガソリンが送られない為エンジンがかかりません。
キャブレターが詰まる原因はガソリンを入れっぱなしで放置していたためにガソリンがキャブレター内で劣化して詰まることが多いです。
キャブレターの詰まりを取り除くにはオーバーホールするかキャブクリーナーを使う2つの方法があります。
整備経験が少ない方はキャブクリーナーがおすすめです。
なぜならキャブクリーナーならキャブレターを分解せずに詰まりを取り除くことが可能だからです。
気温が低いとバイクはエンジンがかかりにくいです。
特にキャブ車のビラーゴ250は気温による影響を受けやすいです。
気温が低い場合はチョークを引いてエンジンをかけてみましょう。
アイドリングが不安定
具体的に言うとエンジンがかからない場合はバッテリーが上がっていたり、プラグの劣化が考えられますが、アイドリングが不安定な場合は吸気系(キャブ・エアクリーナーなど)に異常がある場合が多いです。
バッテリー上がり
またしばらく乗っていなかった為バッテリーが上がっていることも多いでしょう。
バッテリー上がりには充電すれば使える状態と完全にバッテリーが上がってしまい充電出来ない状態があります。
ビラーゴ250バッテリー上がり・寿命とは?バッテリーの復活方法は4つ
完全にバッテリーが上がっている場合はバッテリー交換をしなければいけません。
ビラーゴ250バッテリー交換台湾 YUASAユアサ YB10L-A2
エンジンオイルの劣化
長期放置されたビラーゴ250ならエンジンオイルも劣化しているので交換しておきましょう。
ビラーゴ250のエンジンオイルを交換する時のエンジンオイルの量は1.4L必要です。
オイルフィルターも交換する時は1.6Lになります。
ビラーゴ250オイルフィルター・エンジンオイル交換おすすめのオイルとは?
ブレーキが効かない
フロントブレーキが効かなかったり効きが悪い場合がしばらく乗っていない車体ならあり得ます。
まずはブレーキパッドがあるか確認して、パッドがあるなら次はマスターシリンダーの蓋を開けてブレーキフルードが入っているか、劣化していないか確認しましょう。
それらに異常が見られない場合はキャリパーのピストンシールの劣化でパッドを押さえられていないかブレーキホースが劣化してフルードが漏れている可能性が高いです。
そこまでの症状が出た場合、マスターシリンダーやブレーキキャリパーをオーバーホールするとブレーキの効きが悪い根本的な原因が分かるので一度してみても良いでしょう。
クラッチが切れない
クラッチが切れないのはクラッチワイヤーの調整不足とクラッチの摩耗が原因として考えられます。
まずは簡単に出来るクラッチワイヤーの調整からしてみると良いでしょう。
スロットルの戻りが悪い
雨ざらしの状態で保管されたビラーゴ250は部品のオイルが切れていることが多いです。
スロットルワイヤー内にもオイルが入っていてスムーズに動くようになっているのですが雨ざらしの状態が長く続くとオイルが流されワイヤーがサビたり詰まったりして動きが渋くなりスロットルの戻りが悪くなります。
そんな時はスロットルワイヤーを外して注油をしてみましょう。
それでも動きが渋い場合はワイヤーを交換したり、あまりオススメは出来ませんが安く済ませたいならワイヤーを一本引きにしてしまうのも一つの手ですよ。
サビが酷い
古い車体を維持していく為にはサビとの闘いは避けられないでしょう。
メッキ部分やホイールなどはサビがあると目立ちますよね。
長くビラーゴ250に乗っていきたいならサビ落としにはこだわりたいですね。
早めにサビを落とすことで労力を最小限に抑えることが出来ますよ。
タイヤの劣化・すり減っている
タイヤは唯一バイクが走っている時に地面と接地している部品になります。
ビラーゴ250で飛ばしたり、コーナーリングを攻めることはあまりないと思いますが、古いタイヤだとバーストの可能性や雨の日の制動力に不安があります。
新品のタイヤに交換して気持ちよくツーリングに行きましょう。
ビラーゴ250ならヴィンテージタイヤを履かせてみても似合いますよね。
チェーンの劣化・汚れ
長期放置されていたバイクは必ずと言っていいほどチェーンがサビています。
そしてサビたチェーンをキレイにしても完全にサビを落とすことは出来ません。
あまりにサビがひどいようならチェーンを交換しましょう。
安いチェーンなら¥2000程度で購入できますよ。
ウインカーの異常点滅(ハイフラ)
ビラーゴ250はカスタム車としても人気な為、前のオーナーがウインカーを交換しているかもしれません。
バイクはウインカーのバルブが切れるとそれをライダーに知らせる為にウインカーが早く点滅します。
この現象をハイフラ(ハイフラッシャー)と呼びます。
バイクの故障ではなくウインカーのバルブが切れているだけなので慌てる必要はありません。
しかしここで注意してほしいことがあります。
それは、純正のウインカーならば1つバルブが切れればハイフラが起きます。
しかしLEDのウインカーなど社外品のウインカーに交換してある場合はバルブが切れていなくてもハイフラになっていることがあります。
なぜならLEDのウインカーは純正のウインカーと比べて消費電力が少なくバイクがバルブが切れたと勘違いをしてしまうためです。
そんな時は抵抗をつけたりICリレーに交換したりしてハイフラ対策をしましょう。
ヘッドライトが点かない
ビラーゴ250は古いバイクなのでヘッドライトが点かなくてもおかしくはありません。
まずはヘッドライトのバルブを外してみて異常がないか調べてみましょう。
バルブに異常がなければソケットかライトのスイッチに問題があるかもしれません。
まとめ
ビラーゴ250は古い車両の為トラブルが起きる可能性は高いでしょう。
しかし空冷のシンプルな構造をしている為とても整備しやすいバイクですよ。
難易度の高い整備になるとプロに頼んだ方がよいですが簡単な整備は自分で行うとビラーゴ250への愛着もわくでしょう。
トラブルには必ず原因があり、ビラーゴ250のトラブルを直すには最初にトラブルの原因を特定することが大切です。
原因があいまいなまま整備をしてしまうと見当違いな所をいじってしまいさらに違うトラブルを引き起こしてしまう可能性もあるのでトラブルの原因の特定は必ず行いましょう。
その上でトラブルの原因に合った解決策を行う事で無駄なお金や時間をかけることがなくなります。
長く付き合う上でトラブルはつきものですが正しい整備で解決して、これからもビラーゴ250に乗って楽しい思い出をたくさん作ってください。
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