ビラーゴ250ブレーキが効かない時の原因と整備まとめ

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ブレーキが効かない原因が分からない・・・

と、ビラーゴ250を整備していると思うことがありませんか?

ブレーキが効かない主な原因
  • ブレーキフルードのエアー噛み・劣化
  • ブレーキホースの劣化(フルード漏れ)
  • ブレーキパッドの残量が少ない
  • ブレーキシューの残量が少ない
  • ブレーキキャリパーの不具合
  • マスターシリンダーの不具合

ビラーゴ250のブレーキが効かない原因はいくつもあるのでブレーキを直すには本当の原因を見極めることが大切です。

本当の原因ではない所を直してもブレーキは効くようにならないので時間とお金を無駄にしてしまうかも・・・。

ブレーキが効かない原因はトラブルの症状から判断することが出来ます。

この記事ではブレーキが効かない原因の見極め方とビラーゴ250のブレーキ整備についてまとめました。

是非ブレーキが効かない原因を判断するのに参考にしてください。

ビラーゴ250の主なブレーキトラブル

ビラーゴ250の主なブレーキトラブル
  • ブレーキタッチが柔らかい
  • ブレーキレバーを握っても止まらない(制動距離が長い)
  • ペダルを踏んでも止まらない(制動距離が長い)
  • リアブレーキが効きっぱなしになる

ビラーゴ250のフロントブレーキのトラブルにはブレーキタッチが柔らかい・ブレーキレバーを握っても止まらない(制動距離が長い)ことがあります。

ビラーゴ250のフロントブレーキは油圧式のディスクブレーキなのでブレーキフルードが劣化していたり「エアーが噛んでいる」状態だとブレーキタッチが柔らかくなりブレーキが効きません。

「エアーが噛んでいる」とはブレーキフルードが通る所(マスターシリンダー・ホース・キャリパー内など)に空気が混入してブレーキレバーを握っても油圧が上手くかからない状態の事をいいます。

ブレーキフルードが通る所が全てフルードで満たされてはじめてブレーキの油圧がかかります。

ディスクブレーキ(フロントブレーキ)の仕組みを簡単に説明すると次のようになります。

  1. ブレーキレバーを握る事でブレーキフルードが押し出され油圧がかかる。
  2. 油圧はホースを伝わってキャリパーに向かう。
  3. キャリパーにきた油圧はキャリパーからピストンに向かう。
  4. ピストンは油圧によって押し出され、押し出されたピストンはさらにブレーキパッドを押し出します。
  5. そのブレーキパッドがディスクローターを挟み運動エネルギーを熱エネルギーに変換する(摩擦が起きる)ことで制動力になる仕組み。

だからビラーゴ250のフロントブレーキが効くためにはブレーキフルードがしっかり満たされていてキャリパーのピストンがスムーズに動き、ブレーキパッドの摩擦力があることが必要です。

リアブレーキのトラブルには ペダルを踏んでも止まらない(制動距離が長い)・リアブレーキが効きっぱなしになる ことがあります。

ビラーゴ250の場合、リアブレーキはドラムブレーキになります。

ドラムブレーキは油圧式のディスクブレーキよりもシンプルな仕組みです。

ブレーキペダルを踏むことでワイヤーが引っ張られてワイヤーの先端についている部品(カムレバー)が回りカムレバーの先端についているカムがブレーキシューを広げる。

※そのままでは見えませんが、ブレーキシューはドラムの中に入っています。

広げられたブレーキシューがドラムの内側に押し付けられて 運動エネルギーを熱エネルギーに変換する(摩擦が起きる)ことで制動力になる仕組み。

つまりビラーゴ250のリアブレーキが効くためにはペダルがスムーズに動き、ブレーキシューの摩擦力があることが必要になります。

次はブレーキトラブルの見極め方の具体的な手順を説明します。

ビラーゴ250のブレーキトラブル原因の見極め方

ブレーキトラブルの症状によって原因が変わってくるのでそれぞれの症状に合った見極め方を見つけてください。

ブレーキタッチが柔らかい

ブレーキタッチが柔らかい場合はブレーキの油圧がかかっていません

まずはブレーキフルードの通る所に異常がないか確認しましょう。

ブレーキタッチが柔らかい
  1. ブレーキフルードの残量・劣化確認(エアー噛み)
  2. ブレーキホースの劣化確認
  3. マスターシリンダーからのブレーキフルード漏れがないか確認
  4. キャリパーのピストン(ピストンシール)の傷・劣化確認

ブレーキタッチが柔らかい場合はまずブレーキフルードの状態を見ると良いでしょう。

確認方法はリザーバータンクの蓋をプラスドライバーであけてダイヤフラムを外してリザーバータンク内のブレーキフルードの色・残量を確認します。

ビラーゴ250のフロントブレーキフルード交換・エア抜き方法!交換時期も紹介

しばらく蓋をあけていなかった場合、ネジが固着してなかなか緩まらない事があります。

そんな時は無理に回さず潤滑油をかけてしばらくおいてから再チャレンジしてみましょう。

ドライバーでネジを回すときは押す力8割回す力2割くらいの加減で回すとネジをナメにくいです。

リザーバータンク内にブレーキフルードがなかったりブレーキフルードが茶色や黒色に変色 (新品は透明または薄黄色) している場合はブレーキフルードの交換をしましょう。

それらの異常がなくてもエアーが噛んでいるとブレーキタッチは柔らかくなってしまうのでエアー抜きもしておくと良いです。

ブレーキフルードを交換する時はブレーキホースからブレーキフルードが漏れていないか確認しましょう。

ディスクブレーキはブレーキレバーを握ることで油圧がかかりその油圧がキャリパーのピストンを押し出す為ブレーキが効く仕組みです。

ブレーキフルードが通る所に漏れがあると油圧が逃げてしまいうまくピストンを押し出すことができません。

ブレーキホースからブレーキフルードが漏れている場合はブレーキホースの劣化やワッシャが原因の可能性が高いです。

次にマスターシリンダーからブレーキフルードが漏れていないか確認しましょう。

マスターシリンダーの仕組みはブレーキレバーを握ることでマスターシリンダー内のピストンが押されブレーキフルードが押し出される事で油圧がかかります。

ピストンにはカップ(ゴム製のパッキン)が取り付けられていてブレーキフルードが漏れないようになっています。

しかしマスターシリンダー内のピストンはレバーによって動くためカップが劣化しているとそこからブレーキフルードが漏れる可能性も。

目視でマスターシリンダーにブレーキレバーが当たる辺りを見てブレーキフルードが漏れているようならマスターシリンダーのオーバーホールをしてみましょう。

それでもブレーキが効かない場合はブレーキキャリパーに異常があります。

キャリパーで考えられる原因はピストンシールの劣化・ピストンに傷がついているになります。

いずれにしてもキャリパーを一度オーバーホールしないと直すことは難しいでしょう。

ブレーキレバーを握っても止まらない(制動距離が長い)

ブレーキレバーを握っても止まらない場合はブレーキパッドが減っている可能性が高いです。

ブレーキパッドが減ってくると異音がしたりブレーキの効きが悪くなってきます。

そのままブレーキパッドが減った状態で使い続けるとパッドの部分がなくなり、本来使わない部分でディスクローターを挟むことになってしまいディスクローターを痛めてしまいます

ディスクローターを交換するとパッド交換よりも多額のお金と交換の作業時間がかかってしまうでしょう。

そうならない為にもブレーキパッドの厚みが1mm以下の場合は使用限度を超えているのでブレーキパッドをすぐに交換しましょう。

ビラーゴ250ブレーキパッド交換方法!引きずり・効きが悪い場合の対策も紹介

ブレーキパッドの厚みの確認はフロントブレーキのキャリパーをバイクの正面から見てディスクローターに向かい合っているブレーキパッドの面を見て確認します。

ペダルを踏んでも止まらない(制動距離が長い)

ブレーキペダルを踏んでも止まらない場合はブレーキシューが減っているかブレーキペダルのワイヤーが伸びている可能性が高いでしょう。

ブレーキシューが減ってくるとブレーキパッドと同じく異音がしたりブレーキの効きが悪くなってきます。

ブレーキペダルのワイヤーが伸びている場合はペダルを踏んでもドラム内にブレーキシューが押し付けられずブレーキが効きません。

リアブレーキ(ドラムブレーキ)の仕組みを簡単に説明すると次のようになります。

  1. ブレーキペダルを踏むとブレーキペダルとつながっているワイヤーが引っ張られる。
  2. ワイヤーの先端はドラムブレーキ(カムレバー)につながっていてワイヤーが引っ張られることによりカムレバーが回る。
  3. カムレバーが回るとドラムブレーキ内のブレーキシューが押し広げられてドラムに押し付けられる。
  4. ブレーキシューがドラムに押しつけられ運動エネルギーを熱エネルギーに変換する(摩擦が起きる)ことで制動力になる仕組み。

リアブレーキが効くためにはワイヤーがブレーキシューがドラムに押し付けられるように正しく調整されている必要があります

ワイヤーが伸びてブレーキが効かない場合はカムレバーに取り付けられているアジャスターナットを締めてワイヤーの調整をしましょう。

さらにブレーキシューがすり減っている状態だとうまく摩擦を起こすことが出来ずブレーキが効きません。

ブレーキシューが減っているかはカムレバーについているインジケーターで判断すると良いでしょう。

インジケーターとはブレーキシューの使用限界が針と目盛を見る事で分かる部品です。

ブレーキシューがすり減ってくるとペダルを踏んでもドラムにブレーキシューが押し付けられなくなるためワイヤー調整が必要になります。

ブレーキシューが限界近くまですり減ってくるとワイヤー調整でインジケーターの針が目盛を超えてブレーキシューの交換時期が分かる仕組みです。

ブレーキシューはドラム内に入っていて交換する時はリアホイールを外す必要があります。

リアブレーキが効きっぱなしになる

しばらく動かしていなかったビラーゴ250の場合はリアブレーキが効きっぱなしになってしまうことがあるかもしれません。

リアブレーキが効きっぱなしになってしまうときはまずブレーキペダルに注油をしてみましょう。

注油する箇所はペダルの根元の駆動部分にかけましょう。

ブレーキペダルを踏んでも動きが渋いかどうかが判断しにくいので注油をしたら手で押して確認することをおすすめします。

正常なブレーキペダルは手で押すとバネの力で跳ね返ってきます。

ブレーキペダルの動きが渋い場合はペダルが戻らなかったりゆっくり戻ってきたりします。

まとめ

この記事ではビラーゴ250ブレーキが効かない時の原因と整備についてまとめました。

記事のポイントは

記事のポイント
  • フロントブレーキのトラブルには ブレーキタッチが柔らかい・ブレーキレバーを握っても止まらない(制動距離が長い)ことがある
  • リアブレーキのトラブルにはペダルを踏んでも止まらない(制動距離が長い)・リアブレーキが効きっぱなしになることがある
  • ブレーキトラブルの解決には原因をはっきりさせることが大切
  • フロントブレーキの場合はまずはブレーキフルードの確認からしてみましょう
  • リアブレーキはインジケーターを見てワイヤー調整をしてみましょう

フロントブレーキはキャリパーやマスターシリンダーのオーバーホールになってくると整備の難易度が上がってしまいます。(リアブレーキの場合もブレーキシュー交換はリアホイールを外す必要があります。)

なのでまずは簡単にできるブレーキフルードの確認やブレーキホースの劣化の確認から始めてそれでも直らない時にキャリパーやマスターシリンダーをオーバーホールするようにしましょう。

ブレーキを全て直そうとすると余計に時間もお金もかかってしまうので原因をはっきりとさせてから整備するのがおすすめです。

ブレーキはバイクの一番大事なところなので確実な作業を心がけることが大切です。

分からないことや不安な事がある場合は1人で考えて決めつけないで他の人に意見を聞いてから作業しましょう。

ビラーゴ250のブレーキ整備で分からないことや不安な事がある場合はこのブログにコメントを残していただければお答えいたします。

しっかりと効くブレーキで安全にバイクライフをお楽しみください。

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